現代社会では、さまざまなモノやコト、情報があふれ私たちの生活は日に日に豊かになっています。自分で何かを考えなくてもインターネットで検索すれば自分の必要な知識は手に入りますし、指先一つで買い物や連絡、会議までもができる時代になり、これから先も私たちの生活はどんどん豊かに変化していくでしょう。では、社会の豊かさとは別に心の豊かさはどこにあるのでしょうか。人間は一人では生きてはいけません。誰かと共に認めあい、支えあい、たくさんの愛をたくさんの人たちから頂いたからこそ“今”があります。乳幼児期ではたくさんの人々からの愛を感じながら「自分は自分でいい。」「自分のことが大好き。」「周りの人が大好き。」といったように多くの大人からたくさんの愛を感じて自己肯定感を育んでいきます。子どもは大人の小さい存在ではなく、子どもたちの世界や文化があります。 今はまだ自分の気持ちを言葉にすることが難しい赤ちゃんもなんでも知っているし感じています。大人と同じように大人の常識や見方で子どもたちの世界や文化を考え、型に当てはめてしまうのではなく、子どもたち一人ひとりの心にしっかりと寄り添っていくことが必要ではないでしょうか。
　当園では、何かを保育者が一方的に教え込むような指導型の保育は行いません。読み書きや計算のようにテストなどで測ることができる、いわば目に見える力(認知能力)よりも乳幼児期にはテストなどでは測りにくい、目に見えづらい力が大切になってきます。それらを例に挙げると、社会性や情動性、意志力、自己肯定感、なにかをやり抜く忍耐力、コミュニケーション能力、他者に対する思いやり、自分をコントロールする自己制御など、主に「心」や「社会性」にまつわる力です。これらは、「非認知能力」と呼ばれ、認知能力の土台となるものです。非認知能力はなにか特別なものではなく、以前であれば子どもの普段の遊びやあたりまえの子育てのなかで何もせずとも育っていたものです。しかしながら社会情勢の変化や子どもの遊び場の減少などでそういった機会がどんどん減少してきています。だからこそ、“みどりのもり”では子どもたちが主体的に自ら活動を展開し、思い切り遊んだり、友達と喧嘩したり、好きなことにとことん没頭して遊べるような環境が必要であると考えております。夢中になって遊んだり、何かに取り組んだりすることが、生きる力へとつながっていきます。
21世紀の社会では、答えのない問題に対して、皆でしっかり考えて議論をしながら、そのたびに適切な答えを導き出すことが必要になってきています。自らの意見や思いを他者に伝えることや、相手の気持ちを考えること、何があっても自身の力で困難な壁を乗り越える未来を切り拓く力を育めるよう、みどりのもりでは、いつでも子ども中心の場所でありたいと願っております。心豊かにめいいっぱい遊びましょう。